映画「名探偵ポアロ:ベネチアの亡霊」は、アガサ・クリスティ原作、ケネス・ブラナー監督・主演の名探偵ポアロシリーズ第3弾ということで話題となっています。
映画が大好きで、毎月たくさんの映画を見ている私が、独自の視点から作品を紹介させていただきます。
映画「名探偵ポアロ:ベネチアの亡霊」を観るか迷っている人は是非参考にしていただけると嬉しいです。
この記事でわかること
- 作品情報
- みどころ
- あらすじ
- 感想
- 「名探偵ポアロ:ベネチアの亡霊」がおすすめな人
「名探偵ポアロ:ベネチアの亡霊」作品情報
作品データ
公開 2023年9月29日
監督・脚本 ケネス・ブラナー
主な出演者
エルキュール・ポアロ:ケネス・ブラナー
レイノルズ:ミシェル・ヨー
アリアドニ・オリヴァ:ティナ・フェイ
ロウィーナ・ドレイク:ケリー・ライリー
ドクター・フェリエ:ジェイミー・ドーナン
レオポルド・フェリエ:ジュード・ヒル
他 カイル・アレン、カミーユ・コッタン、リッカルド・スカマルチョ
「名探偵ポアロ:ベネチアの亡霊」みどころ
ホラーとミステリーの良い所を合わせた作品で、これらのジャンルが好きな人は面白いと思います。
舞台となる屋敷は薄暗く、天候も大荒れなので、終始嫌な雰囲気が続いており、いつ幽霊が出てもおかしくない描写ばかりです。
わざと荒んだように見せる小道具の数々にも見ていて関心し、普段はそこまでじっくり見ませんが、いつもとは違う方向からも楽しめました。
私はポアロの知識は全くないまま鑑賞しましたが、容疑者も多く、次々と起こる怪奇現象にハラハラさせられ、余計な先入観がない分、プレーンな気持ちでいられました。
後半には全員が怪しく見えてくること間違いなしなので、自分なりに推理しながら見て欲しいと思います。
登場人物の言動に色々なヒントや伏線が隠れており、一瞬たりとも気が抜けないストーリーです。
謎解き後のラストシーンは、登場人物1人1人にスポットが当たり、ここも楽しみどころです。
ここでは「容疑者」ではなく「1人の人間のその後」が丁寧に描かれており、ちょっと感動すら覚えました。
「名探偵ポアロ:ベネチアの亡霊」あらすじ
名探偵エルキュール・ポアロは、とある霊媒師のトリックを見破る為に、降霊会に参加することになりました。
そこでは子供の亡霊が出るという噂があり、旧友オリヴァと向かった先では、霊媒師が自分に霊を降ろし、死者の言葉を皆に聞かせます。
いくつかの怪奇現象も起き、不安と恐怖は募るばかりです。
そんな中、霊媒師が無残な姿で発見されます。
ポアロは早速、入念な聞き込みを開始。
関係者達は、屋敷の当主ドレイクや、死んだその娘であるアリシアとの関係を打ち明けていきます。
そのうち、医者のフェリエも…。
事件が続き、難航するポアロに、更なる悲劇が襲います。
ある時から体調が悪く、幻覚を見るようになったのです。
しかしそれをきっかけに、犯人は娘の母親ドレイクだという真実に辿り着きます。
娘が自分から離れていくのに耐えられず、日常的に毒を混ぜたお茶を飲ませていたのです。
全てが明らかになり、逃げ場がなくなったドレイクは窓際に追い詰められますが、結局、そのまま海へ転落し死んでしまいます。
事件は明らかになりましたが、降霊はオリヴァもヤラセの協力者だったことがポアロによって暴かれます。
その後、他の人々も屋敷を後にし、それぞれの人生を歩んでいきます。
その後ポアロはというと、自分の所に来た依頼者に面会をし、推理を披露していきます。
隠遁生活を送っていたポアロが、最後には名探偵として復活し幕を閉じます。
「名探偵ポアロ:ベネチアの亡霊」感想
物語の感想
起承転結がはっきりしており、とても見やすかったです。
殺人事件は殺人事件、怪奇現象は怪奇現象、というそれぞれの物語が同時進行で進められ、密度の高い構成です。
比較的、全ての真実が最後にまとめてわかるようになっているので、物語の進行としてはとても良いと思いました。 また、ただの推理物で終わるのではない部分も良かったです。
ホランド達姉弟の、これからの新たな一歩、残された婚約者の悲しみ、セミノフとフェリエの息子がともに生きていく、など、視聴者自身にキャラクターの今後を想像させる部分があったのも、面白かったです。最後には、
ずっと浮かない表情や態度だったポアロがイキイキと自分の推理を話していました。
ビルの屋上からの引きの映像は、それまでとは打って変わって美しい景色で、ハッピーエンドを思わせる演出だったと思います。
キャストの感想
レイノルズ役のミシェル・ヨーさんの演技が好きでした。
除霊はインチキだったのにも関わらず、終始、そんなことを感じさせない強気な表情が良かったです。
目力と口元がキリッと常に引き締まっており、怖いのだけれども、信念があって美しい女性だったと思います。
よほど私の中で印象に残ったのか、登場シーンはかなり少なかったはずなのですが、頭に残って離れない女優さんでした。
霊が自分の体に乗り移ったシーンは、とても迫力がある演技で印象に残っています。
普段はクールな霊媒師ですが、ここだけは全くの別人のようで、同一人物とは思えなかったです。 また、この方の役は白髪に近い銀髪のような印象を持ちましたが、この髪色も暗い舞台の雰囲気ではとても映えていました。
私の勝手なイメージですが、「胡散臭い老婆」のような感じを漂わせていて、「怪しい霊媒師」っぽさをより引き出していたと思います。
「名探偵ポアロ:ベネチアの亡霊」こんな人におすすめ
最初でも少し触れましたが、ホラーとミステリーが好きな人に、特にオススメです。
両ジャンルでも、どちらか一方だけ好き、でも良いと思います。
私のように、ポアロの知識がなくても楽しめるので、興味があるからちょっと見てみようかな、という軽い気持ちでも十分ではないでしょうか。
実際、見ていて、特に前作品を見ていないと困らないという場面はなかったと思います。 また、出来れば2人以上で見ると良いかもしれません。
「犯人が誰か?」、「あの発言が怪しかったよね」、「医者の息子って、すごく頭がいいんだね。ある意味、大どんでん返しだったね」と感想を言い合う人が居ると、より楽しいと思います。
年齢層で言うと、高校生~ご年配までがターゲットなのかな?と感じました。
ちなみに、小さなお子様には難しく怖いと思うので、鑑賞はオススメ出来ません。 また、木の軋む小道具や、虫のむらがる場面なども素晴らしかったです。
本当にホコリが待ってきそうな雰囲気でした。舞台美術などを観察したり、そういう部分を日頃の鑑賞ポイントとしている方にも楽しんでいただけると思います。